真夏の祭典、「POKKA GT SUMMER SPECAL」がサーキットの聖地として名高い鈴鹿サーキットで開催された。後半戦を占うこのレースは、またもや天気との駆け引きが重要なカギを握るレースとなってしまう。
今シーズン、苦しい戦いを強いられてきた「LEXUS TEAM WedsSport BANDOH」は予選では15位。決勝では変化する天候に本翻弄されながらも、着実に走り切り11位という結果に。
■8月20日(土)予選【15位/1‘56.110】
ノックアウト予選 Q1 天候:曇 | コース:ドライ |
気温/路⾯温度 開始時28℃/33℃ 終了時26℃/32℃
レースウイークに入る前は、猛暑続きの日本列島だったか、チームがサーキットに入った週末は雨。明日の決勝も雨との予報が出ており、またもや難しいレース展開を予想させた。
予選を迎えた朝は曇りだったが予選が始まる午後には雨との予報が出ていた。しかし、予選が始まった12時55分は曇り空で雨の気配は感じられない。今回の予選はノックダウン方式となっており、Q1で11台が、Q2で7台が生き残り、Q3でポールポジションが決定する。
まず、Q1の合同セッションで片岡がドライブ。19号車WedsSport ADVAN SC430は順調に走り4ラップ目には1‘56.984をマークし、基準タイムをクリア。このタイミングで、GT300クラスのマシンがコースアウトし赤旗中断となったことから、片岡から荒にバトンを渡す。
撤収作業後、再び19号車WedsSport ADVAN SC430は、ピットを後にした。荒も3ラップ目には1‘57.958をマークし暫定13位。この時点ではQ2へ進出する権利には届いていない。
そしてGT300クラスの占有予選へと移行された。この時点でのトップタイムは12号車カルソニック IMPAL GT-R、1’55.278。
GT300クラスの占有の後、いよいよGT500クラスの占有予選が始まった。まだQ2進出の権利のない19号車WedsSport ADVAN SC430はこの予選で、トップ11位に入らなければならない。そしてステアリングを握る片岡はQ2への切符を手にするため、アタックを開始。ライバル達がピットアウトするタイミングを見計らい、セッション開始から4分後にピットを後にした片岡は徐々にペースを上げ3ラップ目には
1‘56.110を出し、このセッションでのベストタイムを出すが、結果15位。1号車ウイダー HS-Vのトップタイム1’53.991には届かず、Q1セッションで無念の敗退を潔してしまう。明日の決勝は15番グリッドから追い上げを期待する予選となった。
Q3の総合結果、トップは46号車 S Road MOLA GT-R。2位17号車 KEIHIN HS-V。3位1号車 ウイダーHS-V。
路面がもっと早く乾いてくれれば、もう少し・・タイムは出たと思います。ドライとレインのセットが大幅にかわら ない横浜タイヤは決勝には絶対強いと思いますので、明日は雨が希望ですが、ドライでもどこまでいけるか楽 しみです。
予選はかなり不安定な天気で思ったように行かず苦労しました。予選は荒さんがアタックするはずだったんだ けど。準備不足もあり、うまくいかなかったです。YOKOHAMA さんのタイヤは策が練ってあったようで好感触 だったので決勝にはつながると思います。明日は天気が心配ですが頑張ります。
開幕に引き続き、ウエットタイヤのパフォーマンスを確認できました。しかし、天候が不安定で、タイミングを合 わせられなくて、せっかくのパフォーマンスを生かしきれず残念でした。その中でもドライの手ごたえもあった ので、明日のレースはベストを尽くします。
■8月21日(日) 決勝【11位】
決 勝 天候:雨 | コース:ウェット |
気温26℃ | 路面温度28℃
決勝日を迎かえた朝。
まとわりつくような湿気に包まれた鈴鹿サーキットで決勝の幕は上がる。
午後中に行われたFJレースではレース進行中に土砂降りの雨に襲われてしまい、コースアウトするマシンが続出し、主催者側は一時、赤旗中断としたが、これ以上のレース続行が無理と判断し終了してしまう。だが、GTのフリー走行が始まる10時には雨は小康状態に。チームはこのフリー走行で積極的に走りこみ、ピットインをフルシュミレーション。今回のレースは500kmと長丁場のレースとなり、2回のピットインが義務つけられている。通常のレースが250km、その2倍を走る。
決勝レースが始まる前には予選の雪辱を晴らすべく坂東監督を中心にミーティングを行い志を一つに決勝に備えた。そしてスタート進行が行われたころには降っていた雨はスタート直前にはだいぶ小降りになってきた。
そして15時10分オンタイムで決勝の幕が上がった。ダミーグリッドを離れたWedsSport ADVAN SC430はタイヤのグリップを確かめるように1ラップのフォーメーションを終え、ホームストレートに戻ってくると、一気に水しぶきが舞い上がった。スタートドライバーを務める片岡もライバル達を追うように1コーナーに侵入。雨のオープニングラップの一番緊張感がある場面を慎重にクリア。ポジションキープでレースを展開していく片岡。
しかし、6ラップを超えたころから、ラップタイムが落ち込んできた。10ラップを超えるころにはコースアウトするマシンが目立ち始め、モニターを通して難しい路面状況だと判断がつく。片岡はラジオを通じて全てのコンディションを伝え、チームは伝わってくる状況を冷静に判断し、19ラップ目に片岡をピットに戻し、荒にスイッチ。
WedsSport ADVAN SC430は戦列に戻りレースを展開する。この時点で15位。難しいコンディションではあるが、500km先のゴールを目指し、荒はレースを慎重に展開。26ラップ目には38号車がクラッシュし、ピットイン。19号車WedsSport ADVAN SC430は14位へとポジションをアップ。31ラップ目には17号車がスプーンカーブでクラッシュ。これにより、19号車WedsSport ADVAN SC430は13位へとポジションアップ。路面はレース序盤からかなり荒れていくが、荒はコースアウトするマシンを尻目に着実に周回を重ねる。すると、またもや100号車がスポンジバリに横倒しになるほどの大クラッシュをしてしまう。このクラッシュにより、ペースカーが入り全車体列を組み直すため、ホームストレートに戻ってくる。19号車WedsSport ADVAN SC430はこの時点で12位。
そして100号車の撤収作業終了後にはレースを再開。しかし、厳しいレースに変わりなく、44ラップ目には路面状況に合わせたタイヤにチェンジするため、ピットイン。このピットインは予定外のため、最小の給油とタイヤ交換をし、すぐさまマシンを戦列に戻す。しかし、状況は依然厳しくさらには、50ラップを超えたころには雨は上がり、路面が乾きだした。当然、ラップタイムも落ち込みが激しく、56ラップ目には17号車に先行を許し13位へポジションをダウン。またもや困難な状況下におかれた19号車WedsSport ADVAN SC430だった。チームは、ライバルチームやクラスちがいのGT300の状況など、あらゆる情報をもとに作戦を練り直し、60ラップ目にはピットインの指示を荒へ出す。荒は滑るようにピットに入ってきた。最後のバトンが片岡に渡され、19号車WedsSport ADVAN SC430にドライタイヤを装着し再び戦列へ。
ここからは、ラップタイムも安定の兆しをみせ、71ラップ目には17号車をパス。再び12位へとポジションを上げ、76ラップには32号車がピットインした事で、19号車WedsSport ADVAN SC430は11位へと、労せずしてポジションをアップし、片岡は順調にレースを展開していく。そして、トップの1号車がゴールラインをくぐった86ラップ目に18時30分にタイムリミットとなり、1ラップを残してチェッカーが振られた。
19号車WedsSport ADVAN SC430は厳しいコースコンディションを着実に走り切り11位でフィニッシュ。ウォータースクリーンから上がった真夏のレースに幕を閉じた。
スタートで大雨を期待して深溝で行きました。しかし思ったよりも雨が降らず。後半のスリックタイヤを投入するタイミングは良かったのですが、すべてにおいて課題が残るレースとなりました。もっとレベルの高いところでレースができるようにチーム一丸となって頑張ります。今後とも残り3戦応援宜しくお願いします。
今回、雨を期待していたけど、想定外のことが多くて、ドライもウェットもバランスがうまく取れずに苦労しました。でも、どんな状況でも次に生かせる材料になるので、1つ1つ困難を乗り越えて成長していきたいです。
厳しいレースでした。精神力を鍛えられましたね。難しいコンディションのなか戦うと足りない部分が見えてくるので、この先に生かせるいいレースでした。今月末にも茂木でテストがあるので、そこで更に力をつけたいです。
Po | No | Machine | Driver | Time/Diff | Laps | BestLap | Tire | WH |
1 | 1 | ウイダー HSV-010 Honda HSV-010 GT / HR10EG |
小暮 卓史 ロイック・デュバル |
3:16'09.255 | 86 | 2'04.066 | BS | 48 |
2 | 46 | S Road MOLA GT-R NISSAN GT-R R35 / VRH34B |
柳田 真孝 ロニー・クインタレッリ |
0'06.341 | 86 | 1'59.523 | MI | 82 |
3 | 12 | カルソニック IMPUL GT-R NISSAN GT-R R35 / VRH34B |
松田 次生 J.P・デ・オリベイラ |
0'18.946 | 86 | 2'04.249 | BS | 40 |
4 | 23 | MOTUL AUTECH GT-R NISSAN GT-R R35 / VRH34B |
本山 哲 ブノワ・トレルイエ |
0'47.571 | 86 | 2'03.338 | BS | 52 |
5 | 39 | DENSO SARD SC430 LEXUS SC430 / RV8KG |
石浦 宏明 井口 卓人 |
0'49.556 | 86 | 2'00.981 | MI | 40 |
6 | 36 | PETRONAS TOM'S SC430 LEXUS SC430 / RV8KG |
アンドレ・ロッテラー 中嶋 一貴 |
0'59.602 | 86 | 2'05.188 | BS | 46 |
7 | 35 | D'STATION KeePer SC430 LEXUS SC430 / RV8KG |
脇阪 寿一 アンドレ・クート |
1'13.131 | 86 | 2'04.723 | BS | 2 |
8 | 6 | ENEOS SUSTINA SC430 LEXUS SC430 / RV8KG |
伊藤 大輔 大嶋 和也 |
1'22.247 | 86 | 2'00.024 | BS | 48 |
9 | 8 | ARTA HSV-010 Honda HSV-010 GT / HR10EG |
武藤 英紀 小林 崇志 |
1'30.377 | 86 | 2'04.905 | BS | 10 |
10 | 24 | ADVAN KONDO GT-R NISSAN GT-R R35 / VRH34B |
安田 裕信 ビヨン・ビルドハイム |
2Laps | 84 | 1'59.766 | YH | 44 |
11 | 19 | WedsSport ADVAN SC430 LEXUS SC430 / RV8KG |
片岡 龍也 荒 聖治 |
3Laps | 83 | 2'02.158 | YH | 28 |
12 | 17 | KEIHIN HSV-010 Honda HSV-010 GT / HR10EG |
金石 年弘 塚越 広大 |
3Laps | 83 | 2'03.785 | BS | 60 |
13 | 32 | EPSON HSV-010 Honda HSV-010 GT / HR10EG |
道上 龍 中山 友貴 |
5Laps | 81 | 2'02.538 | DL | 24 |
14 | 38 | ZENT CERUMO SC430 LEXUS SC430 / RV8KG |
立川 祐路 平手 晃平 |
5Laps | 81 | 2'08.424 | BS | 30 |