灼熱の地、マレーシアで今年もSUPER GT Round3が開催された。
唯一の海外戦として定着している今大会はSUPER GTの先駆けであるJGTCが2000年にオールスター戦形式として初開催し、02年からシリーズ戦に加わった。
03年は当時アジア地域を襲ったSARSの影響で中止されたが、04年に再開し毎年恒例のイベントとして定着している。
前回のRd2 富士から約一ヶ月後。
チーム力で完走を果たしているのもの13位と、思うように結果が出せなった「LEXUS TEAM WedsSport BANDOH」だが、迎えたセパンラウンドでは、予選、決勝共に9位とシングルポジションを獲得し貴重なデータを蓄積した。
■6 月9 日(土) 予選【9 位 1’57.885】
□天候:曇|コース:ドライ
昨晩降った雨の気配が残るセパンサーキットはどことなく湿った空気感を漂わせ、セパンにしては涼しくさえ感じる朝を迎えた。しかし、予選が始まる10時には、熱帯地方独特の蒸し暑さに変わりがなかった。
予選の前に行われたフリー走行は10時からオンタイムで始まり、アンドレ・クート選手が19号車「WedsSport ADVAN SC430」のステアリングを握り、1年ぶりのコースを確かめるように走行し、セッティングを煮詰めていく。
そして、4ラップ目に1'56.695のタイムで2番手につける。セッション終了したときには6番手にポジションを置き、幸先の良いスタートを切った19号車「WedsSport ADVAN SC430」。そして、坂東監督を中心にQ1に向けての作戦が練られた。「曇り空」ということもあり雨の心配、それにマレーシア独特の混乱が多い予選やレースの心配もあり、Q1が始まってすぐにマシンをコースへ送り出した。
Q1はスーパーラップに進出するトップ10を決める大事なセッションだ。その大事なセッションを任されたのは、アンドレ・クート選手。先陣を切って飛び出した19号車「WedsSport ADVAN SC430」をライバルたちはピットで見守り、5分後にコースへ入っていた。しかし19号車「WedsSport ADVAN SC430」は不運にもアタックラップにコースへ入ってきたライバル達にひっかかってしまうが、1’57.172で暫定トップに立つ。アタックラップに、思うようなタイムが出せずに、一時は落胆したが、後から入ってきたライバル達がアタックをかけようとした周回に、1台のマシンがエンジンブローし、そのため赤旗中断となってしまう。まだまだアタックの途中というマシンが多く、その回収作業が終了し予選が再開したものの残りは4分ほどと僅か。19号車「WedsSport ADVAN SC430」は、余裕のタイムではなかったが、その後の成り行きをピットで見守り、Q1が終了した時には、3番手タイムという結果に。
運を味方につけた19号車「WedsSport ADVAN SC430」はスーパーラップへの切符を獲得した。このセッションのトップは、38号車「ZENT CERUMO SC430」、2位36号車「PETORNAS TOM’S SC430」、3位19号車「WedsSport ADVAN SC430」とLEXUS勢が上位を飾った。
続いて17:09から行われたスーパーラップでは、Q1で10位だったマシンから出走する。
19号車「WedsSport ADVAN SC430」は8番目に荒聖治選手がアタックを開始した。荒選手の前に出走した7台のトップタイムは、18号車「ウイダー HSV-010」が出した1’55.321だ。このターゲットタイムを目指しアタックを渾身のアタックをかけるが、おしくもターゲットタイムには届かずスーパーラップの結果は9番手となった。
スーパーラップのトップは、18号車「ウイダー HSV-010」、2位38号車「ZENT CERUMO SC430」、3位23号車「MOTUL AUTECH GT-R」という結果に。
■6 月10 日(日)決勝 【9 位】
□天候:晴れ | コース:ドライ
気温/路面温度 開始:33度/51度>終盤:32度/44度
決勝をむかえた朝は、レースウイークに入りもっとも暑く、太陽全開といった感じの晴天。太陽とアスファルトからの熱気で、いつもなら蒸し暑いセパンサーキットだが、この日だけはカラッとした暑さが怖いくらいだ。
さてスケジュールは、国内と少々違い、朝のフリー走行の前後にサーキットサファリが組み込まれた。サーキットサファリとはいえ、貴重な走行枠が増えたことには変わりなく、余すところなく設定された走行枠を、レースシュミレーションと最後のセッティングに費やした。
そして、16時、やっと暑さもひと段落したころ決勝の幕は上がった。300Kmレースのスタートドライバーはアンドレ・クート選手。アンドレ・クート選手は、1ラップのフォーメーションのち、スタートという場面で、なぜかもう1ラップのフォーメーションが入ってしまい、拍子抜けするようなスタートになったが、2ラップ目のフォーメーションが終わった後、レッドシグナルからグリーンシグナルに。全車エキゾーストサウンドを響かせながら、ホームストレートを通過し、入り乱れながら1コーナーへ侵入。アンドレ・クート選手はイン側にラインを取り、1コーナーを立ちあがる。そして、緊張のオープニングラップをポジションキープで走行し、2ラップ目には7番手にポジションを上げてレースを展開し、順調に走行を重ねる。
しかし18ラップ目からペースが落ち込み、20ラップを数えるころにはライバル達の追い上げが厳しく12位にポジションダウン。レースは54ラップに渡り、後半が厳しくなるが、早めのピットインを決行し22ラップ目に19号車「WedsSport ADVAN SC430」はピットイン。
後半戦は荒聖治選手に託された。荒聖治選手が戦列に戻った時点で14位とポジションを落とすが、他車がピットを済ませた27ラップ目にはポジションを12位に回復し、安定したタイムでレースを展開する。そして、レースも終盤に近付いた44ラップ目には、300クラスのクラッシュに巻き込まれた36号車とメカニカルトラブルに見舞われた1号車が戦線離脱してしまう。
レース終盤の混乱により10位にまでポジションを上げた荒聖治選手は、後半まで安定したラップでそのまま最終ラップまで走り切り、10位でフィニッシュラインをくぐった。
しかしレース終了後、8位でフィニッシュしたマシンが30秒加算のペナルティーを受けたため、19号車「WedsSport ADVAN SC430」は9位に上がり、灼熱のレースに幕を閉じた。灼熱のレースを制したのは、18号車「ウイダー HSV-010」、2位38号車「ZENT CERUMO SC430」、3位6号車「ENEOS SUSTINA SC430」。
1月のテストとコンディションが全然変わってしまって難しいレースウイークになりました。 予選に向けて、テストの時のようなマシンの状態に近づけようとしましたが、あのときのフィーリングが取り戻せずに思うようなタイム出せずに残念でした。レースは、安定して走り、コントロールしましたが、もう少し速く走らないとトップにはいけない。昨年よりは良くなってきていますが、足りない部分もあるので、今後もベストを尽くします。
序盤はマシンバランスも良く、レースを楽しめましたが、後半が厳しくなり、ポジションをキープできませんでした。次のSUGO大会(7月28~29日)では色々なデータを生かして頑張っていきたいと思っています。引き続き応援をよろしくお願いします。
悔しいですね。予選は運があったのですが、決勝は全てにおいて足りないものが多すぎる。 今の状況は歯車が1個合わない感じです。他のSC勢は重い中、強いレースをしていました。次戦より12年仕様にアップデートしますので、少し戦闘力のあるマシンになります。後はヨコハマタイヤのポテンシャルを生かせばSOGOでは上位に食い込めると思っております。今年は勝負の年ですのでもっとチーム一丸となって全開で挑みます。今後とも応援よろしくお願いします。
Po | No | Machine | Driver | Time/Diff. | Laps | Best Lap | Tire | WH |
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1 | 18 | ウイダー HSV-010 Honda HSV-010 GT / HR10EG | 小暮 卓史 カルロ・ヴァン・ダム | 1:47'52.531 | 53 | 1'58.118 | BS | 12 |
2 | 38 | ZENT CERUMO SC430 LEXUS SC430 / RV8KG | 立川 祐路 平手 晃平 | 3.016 | 53 | 1'58.631 | BS | 46 |
3 | 6 | ENEOS SUSTINA SC430 LEXUS SC430 / RV8KG | 伊藤 大輔 大嶋 和也 | 9.642 | 53 | 1'58.429 | BS | 2 |
4 | 39 | DENSO KOBELCO SC430 LEXUS SC430 / RV8KG | 脇阪 寿一 石浦 宏明 | 20.570 | 53 | 1'59.127 | MI | 44 |
5 | 12 | カルソニックIMPUL GT-R NISSAN GT-R / VRH34B | 松田 次生 J.P・デ・オリベイラ | 37.488 | 53 | 1'59.295 | BS | 14 |
6 | 100 | RAYBRIG HSV-010 Honda HSV-010 GT / HR10EG | 伊沢 拓也 山本 尚貴 | 45.998 | 53 | 1'59.462 | BS | 60 |
7 | 17 | KEIHIN HSV-010 Honda HSV-010 GT / HR10EG | 金石 年弘 塚越 広大 | 46.886 | 53 | 1'59.711 | BS | 32 |
8 | 23 | MOTUL AUTECH GT-R NISSAN GT-R / VRH34B | 本山 哲 ミハエル・クルム | 1'05.203 | 53 | 1'59.637 | BS | 38 |
9 | 19 | WedsSport ADVAN SC430 LEXUS SC430 / RV8KG | 荒 聖治 アンドレ・クート | 1'17.056 | 53 | 1'59.915 | YH | |
10 | 35 | KeePer Kraft SC430 LEXUS SC430 / RV8KG | 国本 雄資 アンドレア・カルダレッリ | 56.903+30 | 53 | 1'59.326 | BS | |
11 | 32 | EPSON HSV-010 Honda HSV-010 GT / HR10EG | 道上 龍 中山 友貴 | 2Laps | 51 | 2'00.289 | DL | |
12 | 8 | ARTA HSV-010 Honda HSV-010 GT / HR10EG | ラルフ・ファーマン 小林 崇志 | 7Laps | 46 | 2'00.137 | BS | 10 |
13 | 36 | PETRONAS TOM'S SC430 LEXUS SC430 / RV8KG | 中嶋 一貴 ロイック・デュバル | 9Laps | 44 | 1'59.403 | BS | 28 |
14 | 1 | S Road REITO MOLA GT-R NISSAN GT-R / VRH34B | 柳田 真孝 ロニー・クインタレッリ | 9Laps | 44 | 1'58.642 | MI | 14 |