2013年SUPER GT最終戦が栃木県のツインリンク茂木で開催された。来シーズンから500クラスのすべてのマシンがリニューアルされ、最終戦をもって戦列から引退するマシンの応援や、さらに500クラスは8台のマシンがシリーズチャンピオン争いに大手をかけているだけあって大勢のレースファンがツインリンク茂木に終結した。「LEXUS TEAM WedsSport BANDOH」は、シリーズチャンピオン争いには手が届かなったが、チームは500クラスにステップアップし、エースドライバーとして3年間チームを支えてきた荒聖治選手が、ここツインリンク茂木で、100戦を超えたドライバーとして、GTAからグレイデッドドライバーの称号を与えられた。最終戦の緊張感に華やかさも加わった最終戦は、予選では12位、決勝では、ライバルと接触し、ドライブスルーペナルティーを受けてしまうが、10位でフィニッシュし、最終戦の幕を閉じることとなった。今シーズンはシリーズランキング14位と苦戦を強いられたが、3年間にわたりLEXUS SC430で戦い、チーム一丸となって歩んできた道のりは、今後につながる確かなものとなった。
■2013 年11月2日(土)【予選 12位:1‘42.558】
□公式予選 天候:曇り | コース:ドライ |
気温/路面温度 Q1開始時16℃/19℃、Q2開始時16℃/19℃、Q2終了時17℃/19℃
快晴の空の下迎えた予選日は、晩秋を思わせる清々しい空気感のなか、まずは9時よりフリー走行が行われた。荒聖治選手から予選に向けてのセットアップが行われ、続いてアンドレ・クート選手がドライブしマシンのセッティングとフィーリングを確かめた。そして14時から300クラスのQ1が始まったが、赤旗中断により、500クラスのQ1は4分遅れの14時19分から始まった。Q1アタックを担当するアンドレ・クート選手はいつものごとく、最善のタイミングを計り、ピットに待機。出番を待つアンドレ・クート選手の周りを万全の態勢を整えたピットクルーが取り囲み、その時を待つ。そして、14時22分になると、ほぼ全車がピット前に整列し、その3分後、いち早くコースに飛び出した1号車を皮切りにLEXUS勢も動きを見せ19号車「WedsSport ADVAN SC430」もコースへ。
開始3ラップ目に暫定トップタイムを刻んだのは100号車、1'41.996。続いて2位から13位までのマシンが42秒台と僅差。しのぎを削るアタックが続き、アンドレ・クート選手も3ラップ目に1'42.558のタイムで12位につける。トップから1秒台の中に13台のマシンが入るといった厳しい争いが繰り広げられ、チェッカーが振られたその最後のアタックラップにトップは入れ替わり、23号車が、1‘41.821でQ1トップに立つ。アンドレ・クート選手は、最後のアタックをかけるが、惜しくもタイム更新ならず、19号車「WedsSport ADVAN SC430」は12位という結果に。
■11月3日(日)【決勝 10位】
□決勝レース 天候:曇|コース:ドライ|
気温/路面温度 開始:20度/26度>中盤:21度/25度>終盤:21度/24度
決勝を迎えた朝は、この時期には珍しい霧に覆われたツインリンク茂木。朝のフリー走行は念のためライトオンの表示が出る中、始まった。19号車「WedsSport ADVAN SC430」は荒聖治選手から走行を開始し、3ラップ目には1’42,826でトップに立ち、その後、このタイムを更新されることはなく、フリー走行をトップで締めくくり、幸先のいい決勝日となった。その後、ピットウオークでは、荒聖治選手の100戦達成記念をチームで祝い関係者やファンが集まり、暖かい応援の言葉が送られることとなった。そして、いつもより30分早い12時20分から慌ただしくレース進行が始まった。最終戦は250kmレースとスプリントの要素が大きく、またノーウエイトのガチンコレースとなっており、今シーズンのマシンの仕上がりが試される。今シーズンを占めくくるレースは、定刻通り13時30分に幕が上がった。フォーメーションラップを終え、最終コーナーを立ち上がってきたモンスターマシンがもつれ込むように1コーナーへと侵入。オープニングラップは、後方のマシンに先行をされ、15位にドロップしてしまう19号車「WedsSport ADVAN SC430」はレース序盤から苦戦を強いられてしまうが、荒聖治選手は果敢に前のマシンを追い詰める走りを見せる。しかし茂木特有の抜きどころのないコースに、このままではラップタイムも上がらないことから、レース展開を変えるために19ラップ目に早めのピットイン。19号車「WedsSport ADVAN SC430」のバトンはアンドレ・クート選手に渡された。19ラップ目から20ラップ目にかけて、早くも11台のマシンがピットインを済ませ、21ラップ目にはトップの6号車を残し全車がピット作業を終え、レースは後半へと突入した。バトンを渡されたアンドレ・クート選手は、レースの流れが良くなった手ごたえがあり、22ラップ目には14位にポジションをアップし、23ラップ目には、マシントラブルのため2回目のピットインを余儀なくされた100号車を交わし、13位へとまた一つポジションを上げた。そして、ラップタイムも安定し、前を行く1号車を37ラップ目にはオーバーテイクし、さらに躍進したアンドレ・クート選手は、38ラップ目には、前を走るライバルをホームストレートで襲い掛かった。だが、19号車「WedsSport ADVAN SC430」はライバルのイン側に隙をついてフロントをネジ込んだが、辛くも接触してしまい、ドライブスルーペナルティーを受けてしまう。44ラップ目にはドライブスルーペナルティーを消化し、戦列に戻るが、14位にまで大きくポジションを落としてしまう。しかし、アンドレ・クート選手は追撃の手を緩めることなくレースを展開し、47ラップ目にはポジションを13位に回復。さらにレース終盤にきて、不運に見舞われ脱落していくライバルが3台あらわれ、これを見送るようにポジションをあげ、チェッカーを受けた53ラップ目は10位までポジションをアップして終戦の幕を閉じた。
最終戦の勝者は6号車「ENEOS SUSTINA SC430」がポールtoフィニッシュの圧勝。2位「KEIHIN HSV-010」。3位には38号車「ZENT CERUMO SC430」が入り、8年ぶりのシリーズ優勝を飾った。
予選は12位でしたがトップから0.7秒差と僅差だったので、パフォーマンスは悪くなかったと思います。レースは、ちょっと攻め込んだタイヤチェイスだったので、早い段階でレースコントロールが厳しくなりました。ですので、早い段階でペースダウンしたのが結果的にはいい方向にいき、ピットインすることには前に追いつき始めていました。19ラップ目にピットし、アンドレに代わった時からはハード目のタイヤでいったので、ペースはかなり良くなりましたし。ペナルティーを受けてしまったのは残念でしたが、レースでは、もっと前に行けるパフォーマンスはあったと思います。最終戦を終えて、表彰台に乗れなかったのは残念です。厳しいシリーズになりましたが、最後のJAF GPでは、見せ場のあるレースになるよう頑張りますので、応援よろしくお願いします。
タフなレースでした。予選のタイヤでスタートしたセイジでしたが、レースではペースを維持することや、予定のピットインまで走行を続けることが難しく、早めのピットインが必要となりました。私のスティントはハードタイヤだったので、良いペースでレースを続けることができ、マシンも安定していて何台かオーバーテイクすることが出来ました。その結果、10位でレースを終えて良かったと思います。今シーズンも多くの応援をいただきありがとうございました。またFuji Sprint Cupでお目にかかりましょう!
予選12位がかなり響きましたね。茂木に入る前にもっとレース展開を読まないといけないのですが予選タイムも決勝タイムも全車、去年より速くなかった。これはコンディションの問題だったと思います。
ほぼ全車がミニマムスティントでした。これを考えると予選をもっとハードタイヤで行けばよかったのかな?と反省しております。クートの使用したタイヤはパフォーマンスも良く、グリップも安定していました。ドライブスルーペナルティーはとても残念ですが、あれがなければ37号車の後ろくらいにはつけたかな?と思っています。
今年は本当に辛いシーズンでした。タイヤのパフォーマンスを生かしきれなかったチームの問題だと思います。
07からチーム監督を務めていますが、07からの連続表彰台獲得も途切れてしまいました。
来年は全く未定ですが、来年走ることが出来るのであればチャンピオン争い出来るチームを作りたいと考えています。本年度は沢山の応援ありがとうございました。ファンの声援の数はGTで一番だったと思います。
本当に感謝しています。JAFグランプリも応援よろしくお願いします。
Po | No | Machine | Driver | Time | Laps | Best Lap | Tire | WH |
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1 | 6 | ENEOS SUSTINA SC430 LEXUS SC430 / RV8KG | 大嶋 和也 国本 雄資 | 1:35'34.873 | 53 | 1'44.056 | BS | |
2 | 17 | KEIHIN HSV-010 Honda HSV-010 GT / HR10EG | 塚越 広大 金石 年弘 | 11.640 | 53 | 1'44.807 | BS | |
3 | 38 | ZENT CERUMO SC430 LEXUS SC430 / RV8KG | 立川 祐路 平手 晃平 | 32.220 | 53 | 1'44.856 | BS | |
4 | 39 | DENSO KOBELCO SC430 LEXUS SC430 / RV8KG | 脇阪 寿一 石浦 宏明 | 33.293 | 53 | 1'45.059 | BS | |
5 | 36 | PETRONAS TOM'S SC430 LEXUS SC430 / RV8KG | 中嶋 一貴 ジェームス・ロシター | 33.405 | 53 | 1'45.541 | BS | |
6 | 37 | KeePer TOM'S SC430 LEXUS SC430 / RV8KG | 伊藤 大輔 アンドレア・カルダレッリ | 43.352 | 53 | 1'45.313 | BS | |
7 | 18 | ウイダー モデューロ HSV-010 Honda HSV-010 GT / HR10EG | 山本 尚貴 F.マコヴィッキィ | 43.980 | 53 | 1'45.910 | MI | |
8 | 23 | MOTUL AUTECH GT-R NISSAN GT-R / VRH34B | 柳田 真孝 ロニー・クインタレッリ | 46.982 | 53 | 1'45.148 | MI | |
9 | 24 | D'station ADVAN GT-R NISSAN GT-R / VRH34B | 安田 裕信 ミハエル・クルム | 47.690 | 53 | 1'45.562 | YH | |
10 | 19 | WedsSport ADVAN SC430 LEXUS SC430 / RV8KG | 荒 聖治 アンドレ・クート | 57.947 | 53 | 1'45.092 | YH | |
11 | 32 | Epson HSV-010 Honda HSV-010 GT / HR10EG | 道上 龍 中嶋 大祐 | 1'03.938 | 53 | 1'45.667 | DL | |
12 | 100 | RAYBRIG HSV-010 Honda HSV-010 GT / HR10EG | 伊沢 拓也 小暮 卓史 | 1'05.040 | 53 | 1'45.623 | BS | |
13 | 12 | カルソニックIMPUL GT-R NISSAN GT-R / VRH34B | 松田 次生 J.P.デ・オリベイラ | 1Lap | 52 | 1'45.566 | BS | |
14 | 1 | REITO MOLA GT-R NISSAN GT-R / VRH34B | 本山 哲 関口 雄飛 | 6Laps | 47 | 1'45.122 | MI | |
15 | 8 | ARTA HSV-010 Honda HSV-010 GT / HR10EG | ラルフ・ファーマン 松浦 孝亮 | 15Laps | 38 | 1'45.802 | BS |